司法書士の業務の中で最も需要拡大を期待できる分野が成年後見制度です。

司法書士の需要

 

日本司法書士連合会によると2018年4月1日現在の司法書士会会員数は22,488人で、長年右肩上がりで会員数を増やしています。
司法書士の仕事は不動産や法人の登記関係、140万円以内の民事紛争(金銭トラブル)の裁判外の和解代理業務、成年後見人等の財産管理業務などがあります。

 

司法書士の需要は拡大していて、今後も業界全体での仕事量の拡大が期待できます
しかし、司法書士の総数や事務所の数が増加しているので、独立して自分の事務所を持つハードルは一昔前よりも高まっています

 

不動産取引の需要

国土交通省の資料によると2018年の土地取引件数は1,388,483件(前年比90.4%)でした。
人口減少によって、緩やかに不動産取引の件数は下落しています。

 

需要増加が期待される不動産取引

近い将来を見据えれば、消費税増税の対策で住宅ローン控除を延長する案もあり、消費税増税や東京オリンピック前後にかけて特需が訪れる可能性があります。
ただし、長期的に見ると安定した需要があるものの、司法書士の総数が増えていることから競争が激しくなっています。

 

また、インターネット上の情報配信によって不動産屋から紹介された司法書士の見積が高額だと指摘するマイホーム購入者が増えていて、平均報酬額が下がりつつあります。
売買のほかに、団塊世代の高齢化によって相続登記の需要が増加する期待があります。

 

今後は不動産屋との深い繋がりよりも、相続相談の集客力が高い法律事務所が成長していくかもしれません。

 

法人登記の需要

政府統計の総合窓口、e-Statのデータによると2017年度の会社設立登記の件数は株式会社90,405件、合同会社23,787件でともに前年比を上回っています。

 

合同会社の比率が上昇していて、小規模事業者が合同会社を設立する需要が増えています。
大手は株式会社から合同会社に変更するケースがありますし、クラウドソーシングなどでフリーランスが増加していることから、将来的に法人登記の需要は拡大していく見込みです。

 

株式会社の数も増加傾向にあり、フィンテックの普及で大手の需要を奪うビジネスが増えています。
会社規模の変動が増加しているので、法人登記は全体的な成長を期待でき、合同会社増加による単価ダウンリスクも限定的です。

 

民事紛争(金銭トラブル)の裁判外の和解代理業務は変化

司法書士の注目度が高まったのは、2005年以降に活発になった過払い金請求です。

 

過払い金請求で注目された司法書士

過払い金請求には最後の支払いから10年の時効があり、新たに過払い金請求する需要は大幅に減少しています。
司法書士が行う案件の多くは示談で解決しているので、件数に関する明確なデータはないですが、近い将来には過払い金請求の仕事がなくなる見込みです。

 

過払い金請求の減少を埋める業務で期待されているのが、任意整理を中心にした少額の債務整理です。

 

2010年代前半には銀行系カードローンが高額な貸付を行っていた問題もあり、債務整理の需要は増加しています。
裁判外の和解代理業務は債務整理が中心に変化していくでしょう。

 

成年後見制度の利用者は増加

内閣府の発表した「成年後見制度の現状」によると、2016年の成年後見制度の利用者は191,335件で、2012年以降毎年増加しています。
国が成年後見制度の利用を呼び掛ける国策にもなっていて、今後も安定した成長が期待できます。

 

司法書士の業務の中では、もっとも確実に需要拡大を期待できる分野です。